『没後50年 板谷波山展』 を観て

『没後50年 板谷波山展』 を観て

先日、茨城県陶芸美術館で開催されている、『没後50年 板谷波山展』に行ってまいりました。

東京へ出張の用事があり、一日、フリーな日がありましたので、チャンスとばかりに東京から電車に乗って

行きました。

 

この展覧会は陶芸の世界に多大なる、足跡を残した、巨匠 板谷波山の没後50年を記念して、

波山の全容を回顧するというものです。

 

東京美術学校時代の作品(木彫を専攻していたので木彫の作品)からアール・ヌーヴォーを意識していた

時代を経て、波山といえば、あの淡い幻想的で優しく包み込まれるような作品「葆光彩磁」(ほこうさいじ)。

そして、観賞用の作品から茶湯に用いる、用の器の製作へと変わっていきます。

 

勢いのある大作時代から晩年に向かって観ていくと、他の作家によくあるのが、少し間延びするというか、

退屈な感じになる時があるのですが,波山の場合は、青磁の香炉や茶碗等のように形がシンプルなものほど、

作品からひしと緊張感が伝わります。

やはり納得したものしか残さなかった波山の作品への情熱なのでしょう。

それは正しく中国の青磁や窯変天目を見るが如くです。

 

また、波山は関東大震災で被災した方や戦没者に観音聖像を送ったり、80歳以上の老人に鳩杖を送ったり

していました。波山の優しさが窺える一面です。

 

この展覧会は平成25年10月5~12月8日まで

茨城県陶芸美術館で開催されました。

 

来年一年かけて

山形美術館  平成26年4月3日~5月11日

http://www.yamagata-art-museum.or.jp/ja/

 

泉屋博古館分館  平成26年6月14日~8月24日

http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/

 

兵庫陶芸美術館  平成26年9月6日~11月30日

http://www.mcart.jp/

 

と開催予定ですので、是非これを機会に板谷波山という陶芸を芸術の域まで登らせた巨人の作品に触れてみてください。

開催予定は変更になる可能性もありますので、事前にご確認下さい。

 

 

 

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