美術品の極みブログ ~ 若手古美術商の奮闘記

最新情報

美術品との出会い

はじめまして。新人のM美です。新学期、新生活がそろそろ始まりますね、私もそのうちの一人です。初めて美術品を取り扱うお仕事に就き、戸惑う事も多いですが毎日楽しく出勤しています。

さて、まったくの素人の私は、まずは焼き物の種類から覚えるところからのスタート。 備前焼、有田焼、信楽焼、この辺りの有名なものはさずがに聞いたことはありますが、素材や制作方法などそれぞれに特徴があり、 違いがあることを今まで知ることも無く過ごしてきました。

改めて考えると普段の暮らしの中には焼き物に触れる機会がたくさんあることに気づきました。 毎朝飲むコーヒーのカップ、食事に使う食器、花瓶などかなり身近に存在しています。

ふと自分が使っている食器はどんなものだろうと思い食器棚を見てみると白い器ばかり・・・。特に何も考えず、使い勝手の良い形を選んできたように思います。 しかし、せっかく仕事で色々な焼き物に触れているのだからもう少しこだわってみたくなりました。 同じような食器ばかりが並んでいる食器棚が今後どうかわっていくか楽しみです。

そして今の時代、100円ショップでも食器が買えたりしますが、中にはびっくりするような値段のものもあるんですね。 正直、私にはなぜそのような高額な値段がするのか、まだ理解できませんが、有名な作家さんが作られたものなどはそれなりのお値段がするのでしょうか。

たしかに人間国宝になられた方の作品を見ると、有名な方が作ったものという先入観があるからかもしれませんが、素人の私から見ても美しいと感じます。 焼き物の種類によって素朴なもの、華やかなものという違いはありますが、どの作家の方々の作品からも日本特有の美しさや魅力を伝え、 守り抜くんだという強い思いが感じとれる気がします。 そんな思いが作品に現れ、価値の高いものとして残っているのではないでしょうか。

今後も少しずつではありますが、自分なりに感じとったことをお伝えしていけたらなと思います。

富本憲吉展~奈良に春を連れてきた~

今回は、新人Y本が担当させていただきます。

陶芸の世界では「富本憲吉」という名前を知らない人がいないのでしょうが、 美術の世界を全く知らずに入社した私には聞きなれない名前でした。

富本憲吉は、1955年に重要無形文化財(人間国宝)に認定、1961年文化勲章を受章した、奈良県出身の陶芸家です。 重要無形文化財の制度は1954年の文化財保護法改正によって親切されたもので、氏はこの制度発足後最初に認定された陶芸家の一人です。 同時代の陶芸家で人間国宝に認定されたのは、石黒宗麿・荒川豊蔵・浜田庄司・金重陶陽です。

入社間もない頃、奈良県立美術館の「富本憲吉展ー華麗なる色絵・金銀彩ー」を訪れました。 奈良は私の故郷ですが、歴史建造物や寺院を見に行くことはあっても、美術館に行く機会はありませんでした。 近鉄奈良駅から徒歩5分程、朝一番の奈良の空気は冷たく澄んでいて気持ちよかったです。

富本憲吉の作品は、華やかな更紗模様(四弁花や羊歯)から素朴な風景模様の色絵あり、白磁あり、また日用品あり、 特別展なのでほかの作家の作品もあり、素人の私でも楽しく美術館の中を歩いていました。

氏の有名な文句で「模様から模様を作らない」という考えがあることを知り、 現代でも、氏の作品の模様が、鮮やかで温かみがあり、それでいて身近なものに感じる理由がわかりました。

価値の高い美術品のため、触れることはできなかったのですが、どの作品も手になじむ心地よいものなんだろうな・・・ と思いました。

華やかな模様の作品のなかで、「竹林月夜」という作品は、氏の故郷に対する想いが表れています。 月夜に照らされた風景を模様にしたもので、青が基調の色絵ですが、月光の柔らかさを感じることができます。

氏が表現している日本の美しさに惹かれる人が多いのでしょう。 私もその一人になりました。

この特別展は、東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)が終わり奈良に春がやってきた3月15日で終了しましたが、常設展でも氏の作品は観ることが可能だそうです。

 

外国の人に誇れる日本の美しさを、この仕事を通じて、学んでいきたいです。

これからも、時々ブログに登場しますが、素人ならではの視点で、日本の美をご紹介させていただきます。

 

 

奈良県立美術館の詳しい情報はこちら⇒http://www.pref.nara.jp/11842.htm

 

上の写真は奈良県立美術館様のフェイスブックのカバー写真をお借りしました。

『川喜田半泥子物語─ その芸術的生涯 ─』を観て

今年の初めに新人4人が入社しました^^

みんな芸術、工芸に関して素人で、見るもの触るものが初めての物ばかり。

知らない世界に戸惑いつつも少しずつ学んでいます。

今回は新人Kが担当します。*^^*

 

先日、あべのハルカス美術館で開催されている「川喜田半泥子物語─ その芸術的生涯 ─ 」

に行って参りました。

展示会に行く前に、銀行の頭取でありながら趣味で陶芸や俳句、絵画などを好んで行っていた人物

と聞いていました。

 

二百年以上の歴史がある木綿問屋を営んでいる家系に生まれた川喜田半泥子は、

幼少期から美術に触れる機会が多かったそうです。

展示を見てみて、生まれながらに恵まれた環境にいたからこそできた事なのかもしれないが、

趣味をただ楽しむという感じでなく、信念を持って芸術に取り組んでいたんだなぁと思いました。

 

有名な作品に伊賀水指「慾袋(よくぶくろ)」があり、その展示があります。

破れがあるのを見て、面白い発想と思う半面、なぜわざわざ破れた水指を作るのか?

素人の私には理解に苦しむところです。

そもそもこれは古伊賀水指 銘「破袋(やぶれぶくろ)」の写しで、半泥子が古田織部のスタイルに

興味を持ったことから作られた作品です。

古田織部は陶芸として失敗作とみなされてもおかしくないようなゆがんだり、ヒビの入った作品を

すすんで茶道具として取り入れた人物だそうです。

この事についての詳細はまた勉強しておきます・・・。

 

半泥子は荒川豊蔵、金重陶陽、三輪休和を津の自宅に招き、器物の取り扱い方を教えてもらったり、

古い器をみたり、互いの作品を批評し合ったりする「からひね会」を結成しており、

この頃の4人の作品も展示されています。

 

昨年オープンしたばかりのあべのハルカス美術館。16階からの眺めも楽しめる立地です。

暖かくなってきましたし、散歩がてら一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

自分もこれから色んな作品を見たりして、感性を磨いていきたいなと思うきっかけになりました。

 

川喜田半泥子物語─ その芸術的生涯 ─

2015年 3月17日(火)~ 5月10日(日)

詳細はこちら⇒ http://www.aham.jp/exhibition/future/kawakitahandeishi/

 

『没後50年 板谷波山展』 を観て

先日、茨城県陶芸美術館で開催されている、『没後50年 板谷波山展』に行ってまいりました。

東京へ出張の用事があり、一日、フリーな日がありましたので、チャンスとばかりに東京から電車に乗って

行きました。

 

この展覧会は陶芸の世界に多大なる、足跡を残した、巨匠 板谷波山の没後50年を記念して、

波山の全容を回顧するというものです。

 

東京美術学校時代の作品(木彫を専攻していたので木彫の作品)からアール・ヌーヴォーを意識していた

時代を経て、波山といえば、あの淡い幻想的で優しく包み込まれるような作品「葆光彩磁」(ほこうさいじ)。

そして、観賞用の作品から茶湯に用いる、用の器の製作へと変わっていきます。

 

勢いのある大作時代から晩年に向かって観ていくと、他の作家によくあるのが、少し間延びするというか、

退屈な感じになる時があるのですが,波山の場合は、青磁の香炉や茶碗等のように形がシンプルなものほど、

作品からひしと緊張感が伝わります。

やはり納得したものしか残さなかった波山の作品への情熱なのでしょう。

それは正しく中国の青磁や窯変天目を見るが如くです。

 

また、波山は関東大震災で被災した方や戦没者に観音聖像を送ったり、80歳以上の老人に鳩杖を送ったり

していました。波山の優しさが窺える一面です。

 

この展覧会は平成25年10月5~12月8日まで

茨城県陶芸美術館で開催されました。

 

来年一年かけて

山形美術館  平成26年4月3日~5月11日

http://www.yamagata-art-museum.or.jp/ja/

 

泉屋博古館分館  平成26年6月14日~8月24日

http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/

 

兵庫陶芸美術館  平成26年9月6日~11月30日

http://www.mcart.jp/

 

と開催予定ですので、是非これを機会に板谷波山という陶芸を芸術の域まで登らせた巨人の作品に触れてみてください。

開催予定は変更になる可能性もありますので、事前にご確認下さい。

 

 

 

タイタニック号 沈み行く瞬間を知るバイオリン

先日、イギリスのオークションで、あるバイオリンが1億4000万円で落札されました。

レオナルド・ディカプリオ主演の映画でも知られる、沈没した豪華客船タイタニック号・・・、そのタイタニック号で、沈没する迄演奏し続けていた、楽団リーダーのバイオリンだということです。

恐怖と混乱に怯える乗客を落ち着かせる為に演奏していた楽団員。

そんな彼らも心の中ではどんなに怖かったか、彼らも演奏しながら残してきた家族や恋人との永久の別れをしていたのでしょうか?

バイオリンの写真を見ると、タイタニック号のような悲劇の事故を、もう決して起こさないで欲しい、そう私たちに伝えているように思います。

 

こちらを参考にさせて頂きました⇒http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131020-00000007-jij-eurp

 

 

藤本能道 作 色絵木蓮瓢形徳利

サイズ 幅7.7㎝ 高さ14.0㎝
共箱・共布付

販売ページはコチラ⇒http://www.bijyutsu.jp/products/item/702

 

こちらには掲載できなかった写真を公開しております。

写真をクリックして頂いても販売ページに移ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田中佐次郎 作 朝鮮唐津水指

サイズ 幅20.3㎝ 高さ15.6㎝
共箱・共布・陶歴付

販売ページはコチラ⇒http://www.bijyutsu.jp/products/item/698

 

こちらには掲載できなかった写真を公開しております。

写真をクリックして頂いても販売ページに移ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堀一郎 作 志野茶碗

サイズ 幅14.6㎝ 高さ9.3㎝
重さ571g
共箱・陶歴・共布付

販売ページはコチラ⇒http://www.bijyutsu.jp/products/item/697

 

こちらには掲載できなかった写真を公開しております。

写真をクリックして頂いても販売ページに移ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三輪休和 作 萩焼盃

サイズ 幅6.2㎝ 高さ5.3㎝
重さ90g
共箱・共布・外箱

販売ページはコチラ⇒http://www.bijyutsu.jp/products/item/696

 

こちらには掲載できなかった写真を公開しております。

写真をクリックして頂いても販売ページに移ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十一代三輪休雪 作 萩茶盌

サイズ 幅12.6㎝ 高さ9.3㎝
重さ409g
共箱・共布・外箱・家系しおり

販売ページはコチラ⇒http://www.bijyutsu.jp/products/item/695

 

こちらには掲載できなかった写真を公開しております。

写真をクリックして頂いても販売ページに移ります。